(※このページは2021年6月22日に更新されました。)
今回は、某知恵袋サイトの質問に答えていきます。
自社開発したローラーを売り出したい塗装職人さんのお悩みです。
自分は塗装職人をやっている者です。
そこで自社で開発したローラーを全国に向けて販売したいのですが、どう売り出していけば良いのか模索中です。
SNSは初めてみましたがフォロワーさんは一向に増えず・・・
ブログの始め方もわからず・・・
どう売り出していこうか迷っています。同業者の方にぜひ使っていただきたくて開発した物なのですが、全国の塗装職人さんにどうやって発信していけばいいのかわかりません。
ブログやSNSだけでなく、「これをやったほうがいい!」という事などございましたら教えてください!
よろしくお願い致します。
目次
商品の強みを確認
僕がこの質問を見た時に、2ステップマーケティングで売るビジョンが浮かびました。
しかし、商品の強みがイマイチ見えてきません。
そこで、僕から質問をしました。
「ひとつお聞きしたいのですが、自社で開発されたローラーがあると、どんな利点があるのでしょうか?例えば、開発されたローラーで質問者さんが
「これがあるとすごく儲かった」
とか
「作業時間が半分になった!」
といった結果があったのでしょうか。」
すると、回答で
「まず自社で開発したローラーは『打放しコンクリート専用ローラー』になります。
本来打放しコンクリートの塗装は、専用の工具で壁をポンポンと叩いて塗装していく地道な作業だったのですが、それをローラーにする事によって作業時間を約3/1に減らすことが出来ます。
それにより人件費の削減にもなります。
大まかなウリはこんな感じです!
ただデメリットとしては「値段」です。
普通のローラーが約1000円程に対して、うちで開発したローラーは7000〜8000円します。
これを時間&人件費削減だから安いと取って頂ければと思いますが、大半の方は「高いから従来のやり方でいい」と思ってしまう値段だとも思います。」
作業時間が半分になり、人件費削減=利益が上がるとのこと。
めちゃくちゃ良い商品ですね!(故障とかの例がなければ)
これは、いけますね!
2ステップマーケティングの流れ
塗装職人用のローラーを売るために、2ステップマーケティングを使います。
2ステップマーケティングとは、従来の
『商品が欲しい人買ってください』
というスタイルではなく
『対象顧客をリスト化し、こちらから提案する』スタイルです。
前者をプル型マーケティング、後者をダイレクトレスポンスマーケティング(プッシュ型マーケティング)
と言います。
プッシュ型マーケティングの際に
1.1度無料で人を集める(セミナーや無料プレゼントなど)
2.無料プレゼント(orセミナー)を受け取った人にこちらから商品を提案する
という2段階のセールスをするため、2ステップマーケティングと言います。
具体的な流れを説明します。
①PPC広告やブログ、SNS等あらゆる手段でリストを得る
手っ取り早いのは、グーグルやTwitter、Facebookなどの広告を利用して集客することです。
その他の手段として、ブログやSNS、アフィリエイトを使うという方法もあります。
集客さえできれば、こっちのもんです。
ありとあらゆる手段で集客をしていきましょう。
②メーリングリストに対して教育を行う
教育とは、説得の価値観9もしくはメルマガ6つの教育で、
相手の価値観を変えることを言います。
①で集客した人たちに対し、
メールで価値観を伝えたり、セミナーを開いて価値観を教育します。
教育の種類は全部で6つあります。
1.信用の教育
相手に自分を信用してもらうための教育です。
自分がどれだけの実績があるのか、
どういう生活をしているのか、
どのような信念を持っているのか、
など、相手が信用してくれるような情報を提供します。
例)
・3か月で体重が20㎏減りました。これが証拠です。
・自分に一切ストレスを感じることがありません。その証拠に健康診断はいつもA判定です。
2.目的の教育
これから伝える情報がどんな目的なのかを教育します。
目的はLF9に基づくと、共感を得やすく、信用の目的と同じような効果が出ます。
例)
・このメルマガの目的はダイエットをして異性からモテる自分になることです。
・このセミナーの目的はあなたがノンストレスで快適な生活を送れるようになることです。
③問題点の教育
今やっていることの何が悪いのかに気付かせる教育です。
人はえてして、今の環境の何が問題なのかをわかっていないことが多いです。
その問題を解決することが重要ですと伝えていきます。
大きな仮想的があると、問題点を自分のせいに思わず、共感が得られます。
例)
・なかなか痩せないのは、ダイエットの知識と計画がないからです。
でも、どの情報番組もダイエットの計画性については教えてくれません。
・あなたは知らないうちに相当なストレスを抱えています。
実はほとんどの人が自分のストレスには気が付きません。
④手段の教育
③で教育した問題点を解決するための手段を教えます。
いわゆるノウハウの必要性とその他のノウハウの排除が目的です。
例)
・あなたが痩せるには糖質ダイエットが一番です。その他のダイエットは意味がありません。
・ノンストレスで快適な生活を送るには、自分の身体をほぐすことが一番効果があります。
⑤お金の教育
問題の解決にはお金を払うことが必要不可欠だと伝える教育です。
無料だと失敗する、無料の情報にはそれなりの価値しかない。
というのが王道パターンです。
例)
・ダイエットを自分でやると失敗します。お金を払ってでも、自分のダイエットをサポートしてくれるところにお金を払うべきです。
・ストレスの発散方法はたくさんありますが、お金を思い切って使った方が効果があります。
大切にしているお金を少し使うことで、一気にストレスがなくなります。
⑥行動の教育
相手に行動をしてもらう(商品を買ってもらう)ための教育です。
行動しないと今のままです。
結局行動ができない人は何も変わりません。
など、少し今の自分が変わらないことへの恐怖を刺激します。
例)
・今のままでは、あなたは結局モテないままです。モテるようになるには行動をするしかありません。
・ストレスは発散しないと解決しません。ストレスを発散するために行動することが必要不可欠です。
③ダイレクトに商品を売る
教育が終わった後、お客さんは
「こんな商品があったらいいなぁ」
と思ってきます。
そこに、
「うちにこんないい商品がありますよ!」
と商品を提案すると、購入されるわけです。
商品の提案には、説得の価値観9を使いましょう。
説得の価値観9については、こちらの記事の価値観9の部分も参考にしてください。
塗装職人用ローラーを売る具体的方法
さて、前置きが長くなりましたが、実際に塗装職人用のローラーを売る仕組みを解説していきましょう。
ポイントは2ステップで売ることです。
また、これは方法の1つであり、それが全てではありません。
僕ならこうやって売ることができるだろう
という仮説の元に書いていますので、実際にこの質問者さんが行動できる方法に応用することが大切です。
流れとしては、
・集客する
↓
・セミナーをする
↓
・来た人限定でローラーを売る
という流れにします。
Googleアドワーズ広告で集客する
Googleアドワーズ(Yahooリスティング・ディスプレイ広告でも可)で
『塗装業 集客』
『塗装職人 利益』
など、利益を上げたい・楽をしたいと思っている職人さんにアプローチをかけます。
内容はセミナー開催の募集です。
タイトルは
「たった1つを変えるだけで作業時間が6時間減り、人件費が15万円削減したノウハウをこの広告を見ているあなただけにそっと教えます。」
※1日9時間作業を仮定し1/3で6時間、人件費は時給1000円・月25日換算
※タイトルは仮です。5秒で考えたコピーですので、もう少しよくなると思います。
値段は1000円とか2000円でいいかと思います。
そこも開催場所として要件等。
※開催場所はネットでもいいですが、オファーの反応率は落ちます。
セミナーを開催する
上記のセミナーを開催します。
セミナーまでの期間は時と場合にもよりますので、要件等。
質問者さんが作業時間を1/3・人件費大きく削減したありとあらゆるノウハウを話します。
最後に商品をオファーする
セミナーの最後に、商品をオファーします。
「ローラーが重要だとお分かりいただけましたでしょうか?」
「では明日から、ご自身でローラーを開発し、時間短縮&人件費削減してくださいと言ったらできますか?」
「そこで、こんな提案があります。」
みたいな流れで、ローラーを販売します。
反応率はきちんとやれば10%はいくでしょう。
ここまでが、具体的な2ステップマーケティングの流れです。
ローラー販売の仮説
ここからはローラー販売を仮説思考で、適正な価格に直す作業をします。
淡々と書いていきますがご了承いただければ。
1個7000円のローラーがどれくらい使えるのかがわからないですが、1カ月に1回交換すると仮定します。
80%の人がリピートするとしたら、平均5回買うことになります。
計算式
7000円(単価)×{100/(100‐80)}(リピート率)=35000円(LTV)
セミナーに来た人の30%が買うとして、1人当たり約12000円。
広告を見た1%の人がセミナーを見に来るとしたら、1人当たり120円です。
50人くらい来ますかね。
塗装職人の市場はどんなもんでしょうか。
ここも把握する必要があります。
(ざっと1万人くらいですかね。)
外壁塗装で100万人くらいみたいですが、この件は外壁塗装?
1クリックあたり120円までお金が使えるんですが、『塗装業 利益』などのクリック単価は10円とかですね。
『塗装業』でも100円くらいです。
多く見積もっても1クリックあたり20円の余裕がありますね。
これが利益となります。
つまり、50人集めるために5000クリック=50万円(実際は5~10万円になる予想ですが)
50人のうち30%が購入するとしたら、35000円(LTV)×15人購入=525000円
はい、50人集めたら、25000円の利益が出ます。(5か月で)
さて、ここで問題点が2つほど出ましたね。
1つは、ターゲットの市場規模。
もう1つは値段です。
ターゲットの規模は詳細がわからないため、値段の問題を上げると、1人当たりの値段が安すぎます。
あくまで仮説で、商品の詳細がわからないため何とも言えませんが、このままではほとんど儲けが出ない可能性があります。
このローラーの価格問題の解決策
僕がこのローラーを売る上で最大の問題点だと思うのは、上記のとおり価格です。
7000円って中途半端なんですよね。
相場が1000円の7倍は全然問題ないのですが、セミナー1回やるのに対して、割が合わない可能性があります。
セミナーに1万人とか来れば話は別ですが、そんなに来ないでしょう。
せいぜい50~100人です。
セミナーを開いて、売上は100万くらいほしいですね。
(1億円にするには月1000万円ですから、そこでも戦略が必要ですが今はとりあえず排除)
つまり50人相手に売って100万円の売り上げにしたいのです。
1個7000円で30%が購入するより10%になってもいいから20万円で売りたくないですか?
そうすれば、20万円×5人購入=100万円で広告費50万円使っても50万円利益で出てきます。
(厳密には10万円程度で済むかもしれないので、90万円の利益まで見えますが、セミナー会場代などの問題もあります。)
ローラー1個で人件費が15万円節約できる(仮)ので、このローラーには15万円分の価値があるわけですよね。
しかし、これでも20万円では売れません。
20万円払って15万円節約したらマイナスですからね。
まして、相場1000円のローラーを15万円では買いません。
そこで、ローラーに付加価値を付けていきましょう。
付加価値を付けるとしたらどんなものがあるかを考えます。
塗装職人が月100万円売り上げる全ノウハウとサポートを付けて、月額5万円とかにすればどうでしょうか。
月額5万円でローラーが無料。月100万円になるコンサルティング付。
最低半年契約とかにすれば、一人当たり30万円にもできるかもしれませんね。
もちろん、ノウハウがあるかは問題ですし、コンサルティングをかなり有意義なものにしなくてはいけないため、仕組みも必要です。
あくまで一例でしかないため、他の付加価値でもいいです。
100万円の価値があるくらいの付加価値を付けてあげると、利益は最大化します。
まとめ:2ステップマーケティングを仮説思考で調整する
以上が塗装職人用ローラーを2ステップマーケティングで売る方法ですが、いかがでしょうか。
あくまで、仮想でしかないため、
ノウハウの部分が変わるかもしれませんし、実際にはターゲット層が意外と多くてもっと楽になるかもしれません。
今現在の考えを、より良い方法へ変換していけば、もっとうまくやれそうですね。
いずれにしても、15万円節約できるローラーを7000円で売るのは(市場規模的に)もったいないので、思い切って価格を上げることを考えた方がよさそうです。
必要なことは商品開発ですね。
マーケティングで必要な要素に『商品開発力』と『ビジネスモデル』というものがあります。
ローラーがほしくてほしくて仕方がない人はいません。
でも、作業が楽になって人件費が減り、利益が大きくなる状態がほしい人はたくさんいます。
付加価値を付けて、その状態がほしくなるような商品開発とビジネスモデルを考えると上手くいきます。
追記:その後共有がきました。
返信が来たので、共有します。
すいません回答とてもありがたかったのですが、自分の想像していたものと少し違いました。
セミナーなど開く気はありません。
もちろん出来ないことは無いのですが、なるべく費用面を抑えていきたいので^^;
職人さんに広める為、認知度を上げるためにこれからも試行錯誤していきますが、自分の思ったような回答とは違いました、ごめんなさいm(_ _)m
セミナーは例だったのですが、おそらく2ステップマーケティングに興味がなかったということでしょう。
売上の最大化が目的かと思っていたのですが、違ったようです。
ビジョンが浮かばなかったとかですかね?
もし、この記事を読んだあなたが、この記事に書いてあることの意味が分からない場合、ビジネスの知識が圧倒的に不足していますので、勉強が必要になります。
こちらの記事も一緒に参考にしてください。